日本料理の食材

<食材>
素材の新鮮さが特に尊重される。一般的に米をはじめとする穀物、野菜、豆類、果物、魚介類や海藻といった海産物、鳥類の肉などが使われ、乳製品はほとんど用いられない。特に海産物と大豆加工食品の利用の多彩さが特徴で、総じて低脂肪、高塩分であるとされる。このような特徴は韓国や東南アジアの食文化とも共通するが、それらの料理と比較して獣肉と油脂の利用が発達しておらず、風味の強い香辛料の使用が少ないという違いがある。新鮮な食材や良質な水に恵まれているため、素材の味を最大限に活かした味付けが尊重される。

調味は塩を基本とし、うま味を豊富に含んだ出汁(鰹節や昆布などを煮出して作られる)や醤油、味噌などの大豆発酵調味料が用いられる。日本酒や米酢などの米発酵調味料も多用される。甘みには水飴・みりんが使われるが、現代では砂糖を使うことが多い。ナタネ油、ゴマ油などの植物油を少量使い、ラードなどの動物性油脂はほとんど使用されない。食材を洗ったり煮たりすることが多いため水を多用し、水そのものの味も重視される。


<日本料理と米>
古来より米価が物価の基準として用いられ、米本位制社会とも呼ばれたように、日本では主食・通貨として米が重視され、「瑞穂国」が日本の美称としても使われてきた。稲荷神社が日本各地に存在し、秋の収穫祭の中心は米であり、天皇家においても新嘗祭は重要な行事である。多くの料理が米(および日本酒)に対する副食としてデザインされており、炊飯米と合わせて食べたときにちょうど良くなるように塩味が調整される傾向にある。

かつて日本では需要に足りるだけの米が生産できず、増量材として野菜や雑穀を混ぜた米飯を食べていた時代が長かったが、江戸時代以降、農法の改良や新田開発で十分な米が供給されるようになると、塩味の濃いおかずで大量の白飯を摂取する習慣が定着してしまい、ビタミンB1不足による脚気が国民病となってしまった。さらに、1960年代前半の高度経済成長期以降、日本人のタンパク質摂取量が増加するまでは高血圧とそれに伴う疾患は日本の国民病と言われてきた。



『ウィキペディア』参照